「半グレの仲間はビジネス・パートナー」
◆半グレW(40代前半)の証言
15歳の時に最初の補導、初回逮捕が17歳で少年院。18歳の頃までメインは暴走族で、そのあと21歳まで右翼団体にいました。19歳で麻薬取締法違反とられて2回目の逮捕、特別少年院送致。20歳にも恐喝だったか窃盗だったかで逮捕されたけれど執行猶予。
最初のシノギは、自動車を盗んでヤクザに販売すること。そのうち韓国マフィアと組んで、ベンツを専門に韓国に流すようになりました。1台300~500万ほどのカネになりました。結局、23歳の時に自動車窃盗で4回目の逮捕で、29歳まで少年刑務所にいました。
ヤクザの傘下に入るようにとの誘いはかなり昔からありましたが、ゲソつけた(世話になった)ことはないです。一度、ヤクザの幹部に乞われて組織外の舎弟になったこともありましたが、喧嘩して縁を切った。私は「アウトロー」だと思っていて、自分らはヤクザに頼らないから価値があると思っている。今の時代にヤクザと付き合いをしても何にも得はないですから。
何よりヤクザは「嫌い」です。ヤクザの看板でケンカするのは性分に合わないし、組織に縛られることも嫌い。それに自分の性格では、ヤクザは務まらないこともわかっています。
半グレにも上下関係はありますが、自分の暴走族時代ほどの厳しさはないです。半グレの仲間は兄弟分ではないと思っています。別のグループ同士では兄弟分契りとかやっているのも聞きますが、私はヤクザごっこが嫌いなのでそういう儀式はやっていない。半グレの仲間というのは、どちらかというと、ビジネス・パートナーに近いのかもしれないです。
いわゆる「半グレ」の日常生活は、カタギの仕事を持っているか否かで随分と異なると思います。
私の場合は、30歳頃から建設会社を経営していました。朝7時に起きて会社に出る。事務員に一日のスケジュールを確認して、打ち合わせがあればそれに出席する。普段から現場を4~5件は抱えていたので、現場周りをする毎日でした。
半グレといえばオレオレ詐欺ですが、自分は指揮したことはないです。周囲の下の者たちはやっていたみたいです。頼まれて掛け子や受け子の紹介だけはしたことがあります。
最近は、普通の青少年も半グレの下について悪さをしています。オレオレ詐欺はその典型例でしょう。青少年もマセてきており、目端がきいていますから、青少年の不良と半グレとの境界は、あってないようなものだと思います。