次は、行政の離職者支援詐欺。行政の支援は書類が多いんです。抱き込んだ会社に源泉徴収書類などを偽造させて書類を揃える。2カ月で40万円くらいになりました。当の支援対象者には、10万円放ってやるんですけど、それで彼らとしては大喜びです。

 他には、キリトリ(債権回収)なんかもヤクザから請け負っていましたね。

「オレオレ詐欺」ですか? あれは割に合わないからやってません。儲かるのは元(仕切り役の人)だけでしょ。

盃がないからスタートラインに立ちやすい

 自分のグループは、4人抱えていました。給料も払っていたし、車も3台所有して行動していた。

*写真はイメージ

 仕事をするうえで、実質的に“上”といえるネタ元のヤクザとは直接は会えない。ネタは若い人が持って来ます。この人もヤクザではなく、半グレ第1部隊。彼らの詳しい関係性をあえて聞いたことはないですね。それってルールに反するから。

 多くは語らないし、カネでしか繋がっていない。「ネタください」「(この仕事)やってくれるヤツいないかな」――単純に、この関係のみです。

 じゃ、割に合わないことがあってもなぜ半グレが無くならないかといえば、それは輝くことができるから。自由なのに力を持つことができる。バカには最高のチャンスです。ある程度知られたグループなら、自分はそこの一員であるという自負も出てくる。トラブルが生じた場合、「お前どこのグループ?」って聞かれて、「〇〇連合」と名乗れば、9割方は問題が収まります。組織じゃないけど、近い感じはありますね。

 それに、半グレは盃がないからスタートラインに立ちやすい。明日からでもオーケー。用意するとしたら「パクられる覚悟」だけ。でも、カッコだけで入ってくるバカにはこれが分かっていないヤツが多いですね。