大学生も半グレ化
半グレWの「半グレは増え続ける」という意見を裏付けるように、現役大学生による半グレまがいの犯罪も散見される。
早大における大麻取締法違反容疑で「04年以降、7人が逮捕」された件(朝日新聞2008年11月18日)、同志社大生3人らによる、女性に好意を抱かせ風俗店にあっせんした事件(朝日新聞デジタル2019年2月2日)、日本大学イベントサークル3名による、退会希望学生恐喝事件(朝日新聞2019年1月10日)、大学生100人超が加担した持続化給付金詐欺(中国新聞2020年11月5日)などなど、枚挙にいとまがない。彼らの犯罪は半グレに引けを取らない。一般青年と不良の境界線も不明瞭になっているように思えるのは筆者だけであろうか。
半グレの暗躍とともに、犯罪組織・グループのボーダレス化という現象が進んでいる。背景には、暴排条例による締め付けで暴力団のシノギが苦しくなったというような事情があるのかもしれない。
これ以上半グレを増やさないようにするためには、前回の記事で指摘した元暴アウトローの問題や偽装破門など、暴力団員や暴力団離脱者のアングラ化も視野に入れて、闇バイトの実態や特殊詐欺実行犯の低年齢化の背景を解明し、早急に対策を講じる必要があるだろう。
「どこにでもいる不良が半グレになる」「半グレは普通の子を巻き込む」という問題は、非常に深刻である。なぜなら、冒頭で述べたように、未成年でも特殊詐欺などの前歴があると社会的制約を課される恐れがある。結果、彼らは一回の失敗で、成功の見込みがない隘路を歩まねばならなくなる可能性を否めないからだ。興味本位や軽はずみな行動で、ずっと重い十字架を背負っていかねばならなくなるかもしれないのだ。
次回は、低年齢化しボーダレス化する非行・犯罪の社会的な原因と、その対策につき考えてみたいと思う。