事故から2年、刑事裁判の法廷で加害者は何を語るのか

 本日1月21日は、午前10時から静岡地裁沼津支部で第4回公判が開かれ、被告人への本人尋問が行われます。

 事故直後から、『自分は青信号で直進、対向してきた原付バイクが急な右折をした』と供述していた被告人は、法廷で何を語るのでしょうか。

 そして検察は、真実と異なる供述を続け、遺族を苦しめてきた被告人に対して、どのような求刑を行うのでしょうか。

 ちなみに、本件の場合、被告人の車にはドライブレコーダーがついていました。しかし、「コードが接続されていなかった」という理由で、画像は押収されていません。

 同様に、ドライブレコーダーが装着されているにもかかわらず、何らかのトラブルで録画できていなかったケースはよくあります。また、事故直後にデータを隠したり、捏造したりするケースも報告されています。

 今回行われたようなカーナビデータの分析と照合には、大変な手間がかかるため、全ての交通事故捜査でこれを行うことは不可能ですが、一方の当事者が死亡していて事実関係に争いがあるような場合には、「カーナビ」に残されているデータが、場合によっては最後の切り札になりうることを、ぜひ覚えておくべきでしょう。

 第4回公判の翌日、1月22日には、事故からちょうど2年目を迎えます。

 遺族はこう訴えます。

「父の事故では多くの方が尽力してくださり、幸い、カーナビにも加害者側の信号無視を裏付けるデータがしっかりと残っていました。もし、こうした証拠が見つからなければ、父のほうが加害者扱いされたまま終わっていたでしょう。きっと全国各地に私たちと同じように事故で大事な方を亡くされ、死人に口なしの状況で真実に辿りつけぬまま無念の結果を迎えた方が沢山いらっしゃると思います。私たちは父の死を無駄にせず、この先も証拠の大切さを多くの人に伝え、知ってもらいたいと思っています」

(写真:遺族提供)