(3)前回は、ロシアの空中警戒管制機A-50が飛行
ロシアのA-50が中露の爆撃機の飛行に合わせるように、日本海を南下して、竹島の領空を侵犯した。
このA-50は、監視空域を飛行する数十機の情報を収集し、処理できる航空機だ。
中露の爆撃機やA-50に対応してくる日韓の戦闘機の動きを、捕捉し解析することが可能だ。つまり、日韓戦闘機の能力や防空システムの行動が分析されたと見ていい。
例えば、中露の爆撃機がどの位置まで接近すれば、日韓の戦闘機が飛び立ち、接近するまでどれくらいの時間がかかるのかなどだ。
さらに、有事の際、米韓軍機の動きを捕捉し、北朝鮮に提供することもありうる。
4.考えうる飛行の狙いを列挙
(1)台湾への爆撃行動を想定したものか
爆撃機が台湾に太平洋正面から接近し、長距離空対地ミサイルで、爆撃訓練をする時、これまでの航跡と比較すると、今回の場合は、宮古海峡から太平洋に進出し、すぐに同じコースで帰投している。
これまでの台湾爆撃を想定しての訓練とは異なり、台湾へのミサイル攻撃ができる地点まで接近していない。
また、中国軍機による台湾への爆撃に、ロシア軍機が協力すれば、不要な戦争に介入することになり、ロシアにとってメリットは全くない。
これらのことから、台湾攻撃を想定したものではないといえる。
左:台湾への模擬ミサイル攻撃(2020年6月)右:中露合同飛行(2020年12月)
