『研究』には、380元のデータがないので、「収入ゼロ」層(546万人。0.39%)を除く「最下層」の月収「0~500元(約7825円)」(合計2億1589万人で、人口の15.42%)から、その数を推測してみたい。

 とりあえず、「最下層」の2億1589万人が平均的に分布していると仮定しよう。500で割って1元刻みにすると、約43万1780人という数値が出る。それに380(元)を掛ければ、(「収入ゼロ」層を除く)「最下層」中、約1億6407万6400人が「絶対貧困」層に位置すると考えられる。そこに、改めて「収入ゼロ」を加えると、約1億6953万6400人となるだろう。

 この数字は不正確かもしれないが、目安にはなるだろう。全人口のおよそ12%が「絶対貧困」層と言えよう。

 今年1月、国家統計局は、昨年末時点の農村貧困人口は現行の判定基準で試算すると、前年比1109万人減の551万人になったと発表した。ただ、「現行の判定基準」がどのようなものか不明である。また、これには都市が入っていない。算出された「絶対貧困」層数と比べると、統計局の数字に疑問符が付く。

【下層】

 第2に、ここでは、「下層」(月収500~2000元)を
(1)「下層下位」(月収500~1000元<約1万5650円>)
(2)「下層中位」(月収1000~1500元<約2万3475円>)
(3)「下層上位」(月収1500~2000元<約3万1300円>)
の3クラスに分けたい。

 (1)「下層下位」は3億2607万人(人口の23.29%)、(2)「下層中位」は2億4389万人(同17.42%)、(3)「下層上位」は1億7263万人(同12.33%)となる。

「下層」全体では、7億4259万人、人口の53.04%を占める。「最下層」と「下層」を合計すると、9億6393万人、全人口の68.85%となる。つまり、中国人の3人に2人以上は、この層に属する。この2つの層には、あまり消費を期待できないだろう。

【中間層】

 第3に、中国では、月収「2000~3000元(約4万6950円)」(「中間層」約2億0735万人。人口の14.81%)ならば、悪くないと言われる。一線都市(北京・上海・広州・深圳)・新一線都市(成都・重慶・武漢・天津など)では暮らすのが難しいが、二線都市(寧波、廈門、大連、青島など)や三線都市(海口、汕頭、洛陽、桂林など)では、何とか暮らしていけるという。