祟り神は丁寧に祭り上げることで強力な守護神ともなる

 祟り神(たたりがみ)は、荒御霊(あらみたま:天変地異を引き起こし、病を流行らせ、人の心を荒廃させて争いへ駆り立てる神の働き)で畏怖される。

 しかし、丁寧に祀り上げることで強力な守護神になると信仰されている。そして、恩恵を受けるも災厄がふりかかるも信仰次第とされている。

 もし、あなたが、怨霊、物の怪、妖怪など見えない世界の何者かに祟られたら、いかに対処すべきか。

 まずは、祀り上げて鎮め、あの世へと帰るよう促すことである。

 では、生きた人間の恨み、生き霊に対しては、どのように対処すればいいのか。

 誰かを恨んだり、他人を妬んだり、時には人を呪いたくなるといったことは人間の稟性である。

 人を踏み台にしてのし上った元同僚の上司や、陰でコソコソありもしない噂話を吹聴する部下に対し、「あのやろう、事故にでも遭えばいいのに」と思ったことは、誰しも一度や二度はあるのではないか。

怨念が鬼となる。かつて天変地異は鬼の仕業と考えられていた

 恨みを晴らすというのは心に蔓延る恨みの念を消し去ることをいう。

 晴らすの「晴れ」は天気であり、その逆が「曇り」。人の心や社会、経済も天気同様、晴れの日があれば土砂降りの日もある。

 人の心の曇りが色濃くなれば闇となり、闇に蠢く魔物が動き出す。