李大使の発言は感情に任せた「失言」ではない

 李大使の発言は、韓米同盟に関する過去の発言について説明する際に出たものだ。

 李大使は今年の3月にも、ワシントンの特派員懇談会で「(米国と中国の間で)我々は選択を強要された国ではなく、もう我々が選択できる国という自負心を持つ」と述べた。この時、米国務省はすぐさま「韓国は数十年前に権威主義を捨てて民主主義を受け入れた時、既にどちら側に立つか選択した」と反駁している。

 それなのに再び米国との同盟関係について「韓国が選択できる」との立場を表明したものである。

 李大使は、9月3日、米国で開催されたテレビ会議でも「韓米同盟の未来の姿を深く考えて見るべきだ」、「中国が最大の貿易パートナーという事実を考慮しなければならない」と主張し、「安保は米国、経済は中国」との立場を明らかにした。

 李大使の今回の発言に対し、米国国務省報道官室の関係者は12日、朝鮮日報の取材に対して、「われわれは70年になる同盟と、その同盟が米国と韓国、そして地域全体の平和と繁栄のために果たしてきたあらゆることを非常に誇らしく感じる」とコメントした。そのうえで、「両国は共有している価値を基礎として、同盟かつ友人として、規則に基盤を置いた国際秩序を損なおうとする者らをはじめ、この地域で新たに台頭する挑戦に立ち向かえる同盟になるよう引き続き共に活動している」と述べている。

 表現は穏やかではあるが、駐米大使という身分にもかかわらず、駐在国の米国と対立を引き起こしている国(中国)を選択するかのような発言を繰り返す李大使と韓国政府に、強い不満を表明したものと考えていいだろう。

中国は韓国を従属国程度にしか考えていない

 ある韓国の元外交官は「政府は韓米関係に傷を与える言動をし、中国に対しては言うべきことも言えない対応を繰り返すなど、状況を悪化させている」と懸念しているという。

 朝鮮日報は社説で、こう述べている。

<米国は韓半島に対する領土的野心がない唯一の国だ。何物にも代えられない自由民主体制を韓国と共有している。反面、中国は韓半島を自分の従属国と考えている国だ。歴史的に、地域覇権を追求しなかったことがない。暴力的外交政策を推進し、共産党一党独裁国家だ。貿易量が多いからと、こんな国を米国とはかりに掛けて選択できると言うのは、無分別な活動家学生くらいのものだ>

 全く同感である。