韓国の航空各社は新型コロナウイルス感染症の影響で深刻なダメージを受けている(写真はチェジュ航空)

 2020年10月6日、日韓両国政府は、ビジネス入国規制の緩和を発表した。

 航空業界は一歩前進と歓迎するが、新型コロナの流行で両国の航空会社の苦境は当分続きそうだ。

 韓国では、大韓航空が7~9月期も黒字を維持しそうだが、アシアナ航空は生き残りをかけた売却交渉が撤回になった。LCC(格安航空会社)は存亡の危機に立たされている。

 韓国の国道交通部は、10月6日までに7~9月の韓国内の15空港の利用状況をまとめた。旅客利用者数は784万人で前年同期比75%減となった。

国際線利用者数97%減

 国内線の利用者数は848万人から719万人になり同15%減だった。韓国は新型コロナ対策で一定の効果を上げており、国内旅客数が一部で回復し、マイナス幅も縮小している。

 しかし、国際線利用客数は激減が続いている。利用者数は65万人で、前年同期の2300万人に比べて97%減だった。

 国際線の比重が高い仁川国際空港の利用客数は、前年同期の1799万人から65万人になってしまった。

 一方で国内線の比重が高い金浦空港は、375万人から243万人と35%減で収まった。

 国内観光客が回復している済州空港も、436万人から289万人で34%減だった。

 中国に次いで往来者が多い日本とのビジネス往来が一部緩和になったことに航空会社はひとまずほっとしている。