「リーダーシップ」の種類は?

 リーダーシップの種類は大きく分けて二つある。

クルト・レヴィンが提唱する3種類のリーダーシップ・スタイル
 アメリカの心理学者であるクルト・レヴィンの研究によれば、リーダーシップのスタイルは、「専制型」、「民主型」、「放任型」に分類できるという。

(1)専制型リーダーシップ
 意思決定や行動など全てリーダーが決める方法を指す。部下は受動的な場合が多く、自分で考えずリーダーの指示を待つ傾向にある。短期的には仕事の成果を上げることができるが、長期的な部下の成長や組織の成長といった効果は期待できない。

(2)民主型リーダーシップ
 意思決定や行動などを全て部下が行う方法を指す。チームの効率は下がってしまうが、部下が考えて行動するため、長期的な組織の成長といった効果は期待できる。組織間のコミュニケーションが密になり、団結力も増す。

(3)放任型リーダーシップ
 意思決定や行動に一切リーダーが関与しない方法を指す。全ての行動をメンバーだけで行うため、組織の士気や団結力は低い状態が続く。尚、個々のスキルが高い場合は、チームにとって効果的な方法と言える。

ダニエル・ゴールマンが提唱する6つのリーダーシップ・スタイル
 ダニエル・ゴールマンによれば、リーダーシップのスタイルは、6種類に分けられるという。

(1)ビジョン型リーダーシップ
 組織の持つ共通のビジョンによってメンバーを動かすスタイルを指す。全員でビジョンを共有しながら、そこまで到達する方法は押し付けず、自分たちで考えさせることを特徴としている。常に前向きなため、メンバーからの信頼が厚く団結力も高い。

(2)コーチ型リーダーシップ
 組織だけでなく個人の目標に寄り添い、1対1で向き合うスタイルを指す。メンバーを励ましながら、強みと弱みを自分自身で気づかせるように導き出そうとする。メンバーそれぞれの個性や特徴を理解し、対話することでメンバーのモチベーション維持にもつなげることができる。

(3)関係重視型リーダーシップ
 組織の目標やビジョンよりも、メンバーの考え方や感情を重視するスタイルを指す。感情を重視することで、メンバーとの関係性を高め組織を融和することができる。ただ、感情を重視しすぎることで、目標達成が疎かになってしまうデメリットがあるため、他のスタイルと併用するのが理想的だ。

(4)民主型リーダーシップ
 結果よりも過程を重要視するスタイルを指す。メンバーの意見を求め、組織全体を動かしていくことで新しいアイデアが生まれチームワークも高まる。ただ、意見が割れる場合には業務が滞る場合があるため、他のスタイルとのバランスが重要と言える。

(5)ペースセッター型リーダーシップ
 リーダー自身が高いレベルの成果を出すことで、部下の士気を高めるスタイルを指す。優秀なメンバーが集まっている場合には、非常に高いパフォーマンスを発揮することができる。そうでない場合は、組織の関係性が崩れてしまう場合があるため関係重視型と併用するのが良いだろう。

(6)強制型リーダーシップ
 軍隊のように意思決定や行動を全てリーダーが行うスタイルを指す。意思決定や行動の理由は伝えず、とにかくやらせることで短期的な効果が見込める。ただ、メンバーが自走しているわけではないため、長期的な視点で見ると成長することが難しいだろう。緊急性の高い仕事のみ効果を発揮することができる。