経団連の「日本型雇用」(メンバーシップ型雇用)の見直し、新型コロナウイルスの感染拡大などを背景に、いま「仕事」や「雇用」への捉え方の転換点が訪れています。その流れを受け、日立製作所や資生堂、富士通、ソニー、KDDIといった大手企業が続々と「ジョブ型雇用」の導入を発表しています。今後、新卒採用の領域でもジョブ型雇用を導入する企業は増えていくでしょう。本記事では、ジョブ型新卒採用で、どのような人材がマッチするのか、紹介していきます。
日本にも「ジョブ型雇用」を導入する大きな波が到来している
いま日本では「ジョブ型雇用」を本格的に導入していこう、という大きな波がやってきています。かねてよりグローバルな競争力を獲得するという観点から、ジョブ型雇用は重要なキーワードの一つとなっていました。そして経団連の中西会長が2019年末に「日本型雇用の見直し」を言及し、2020年1月には春季労使交渉の経団連指針の一部としてジョブ型雇用の普及が組み込まれたことは、記憶に新しいでしょう。日本でも本腰を入れて導入する流れができているのです。
さらに今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、日本のみならず世界規模でリモートワーク(テレワーク)の導入が余儀なくされ、強制的に実証実験が行われました。その中でも、職務内容が明確なジョブ型雇用が中心となっている企業や諸外国においては、スムースな移行が実現していることも明らかです。それに対して日本ではメンバーシップ雇用であるため、出社を前提としたコミュニケーションがないと仕事を進められないという現状も明らかになりました。
今まさに「仕事」や「雇用」というものを見直し、転換していく時が訪れています。その重要なファクターとして「ジョブ型雇用」に改めて注目が集まっているのです。
「ジョブ型雇用」を積極的に進めている日本企業
現在、日本で「ジョブ型雇用」への転換を積極的に推進している企業の一つが、日立製作所です。同社のニュースリリースによると、2021年3月に全職種のジョブディスクリプションを作成することを目指しています。中長期的な施策であることから、IT環境の整備や在宅勤務での健康支援なども併せて計画を立てているようです。
日立製作所のみならず、資生堂、富士通、ソニー、KDDIといった大手企業が次々とジョブ型雇用の導入を表明しています。いずれも新型コロナの影響を受けているものの、実は以前から実施してきたジョブ型雇用の範囲を拡大するケースが多く、本格的な導入へと踏み出した形です。