(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 今年になってからのことである。Yahoo!の広告メールがやたら来るようになった。毎日、朝から晩まで15~20通くらいが入ってくる。自動配信だから、敵は気楽に撒き散らしているのだろう。実害はないものの、これがうっとうしい。いちいち削除するのだが、手間である。どんなものがあるのか、書き留めてみた。

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 まあ、いろんなことをやっているものである。だが、その必死さが暑苦しい。

 わたしはYahoo!のフリーメールを使っている。そこに「迷惑メール報告」という機能がある。それに指定すれば、次回からは「迷惑メール」のボックスに大方は振り分けられる。当然、さまざまなYahoo!の広告メールは迷惑メール以外のなにものでもないから、それに指定するのだが、これがなんの効果もない。ははは、そりゃそうだろ、うちのを外すわけがないじゃないか、と嗤われているようで腹が立つ。

 最近ようやく、メール配信を中止にするには、それぞれのメールの「設定の変更」をしなければならない、ということがわかった。それでも設定変更が反映されるまで「数日かかることもある」らしい。

メールより面倒な電話営業

 一方的に侵入してくるということでは、昔ほど多くはないが、いまだになくならないのが電話営業である。投資、結婚式場、美容、インターネット接続などなど。必死といえば、こっちの方が必死であろう。これはいちいち対応するのが面倒くさいという意味で実害があり、メールよりはるかにタチが悪い。

 これは広告ではない。一種の押し売りだが、電話一本で商売しようとする根性が人をなめている。電話をかける方だって、こんな仕事は嫌ではないのか。日中の電話は電話営業ばかりだから、一切電話に出ないことにした、という知人がいる。正しい。

 生まれたときからその環境のなかで育っているので気づきにくいが、わたしたちの生活の周囲は広告だらけである。一番は、マスコミ4媒体といわれるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌である。テレビは番組がメインのような顔をしているが、いうまでもなくCMが最重要である。新聞には、下品ないかがわしい広告が増えてきた。また新聞には毎日チラシが入っている。

 だからといって街に出れば、看板にポスターに垂れ幕に貼り紙に呼び込みにティッシュ配り。電車内も広告ばかりで、インターネットを見ていれば広告だらけである。