特に金氏については、朴正熙(パク・チョンヒ)時代に共和党に在籍、民主正義党の組織局長という要職まで務めた。また、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権のために働いていた。そんな経歴を持っているのに、いかにして「自分は親日派ではない」と説明するのであろうか。こうした人が、「親日残滓未清算」と叫ぶのには違和感がある。
また、金氏は大統領と参加者が愛国歌を合唱する記念式の場で、作曲家安益泰(アン・イテク)氏に反逆者というレッテルを貼ってみせた。
ちなみに、光復会とは独立運動家やその子孫・遺族からなる団体であり、民族の魂を吹き込むことが目的である。しかし、金氏が光復会長に就任した昨年6月以降、政権勢力の偏った理念で国を分裂させる先導役となっている。最近では、朝鮮戦争において韓国を北朝鮮の侵略から救った白善燁(ペク・ソンヨップ)将軍の国立墓地埋葬を阻止しようとしたり、過去の大統領の墓を掘り起こすことを主張したりもしている。
「国を分断させる」と保守派は強く反発
この光復会長の発言を受け、済州道の元喜龍(ウォン・ヒリョン)知事は、済州市の式典で予定した演説内容を変更し「(金会長ら与党関係者は)自分たちが歴史の審判者であるかのように独断による親日判決を下している。それは歴史の理念を掲げた独裁にほかならない」、「歴史に対する謙虚な姿勢で功罪を見つめ、国民統合の道へと向かわなければならない」と述べ、「国民を二分させる光復会の偏向した歴史認識に同意できない」との立場を表明した。
また、慶尚北道の李チョル雨(イ・チョルウ)知事も「世界で最も貧しい国を世界10位の国にした祖先たちを全部掘り起こせば、この土に誰が残るというのか。今日の歴史を作った方も尊敬し、新たな歴史を作ることに賛同した方々も我々は認めるべきだ」として、金会長の発言に懸念を表明した。
さらに、未来統合党の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「文大統領は『パルゲンイ』(赤い共産主義)・従北だけでなく、土着倭寇(土着する親日)というレッテルを貼る政治とはっきり断絶を宣言すべきだ」と訴えた。さらに「安益泰は親日、親ナチス」と発言したことについても「愛国歌を廃止しようというのか」と追及。未来統合党は安氏について文大統領が立場を表明すべきと主張した。