今年8月15日、韓国ソウルの東大門デザインプラザで開かれた光復節の記念式典で演説する文在寅大統領（写真：YONHAP NEWS/アフロ）
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　韓国政府主管の「第75周年光復節（独立記念日）記念式」を契機に、韓国政界ではまた「親日・反日論争」に火が付いた。

　式典であいさつした光復会会長の金元雄（キム・ウォンウン）氏の挑発的な言葉に、保守系議員が反発。するとその保守系議員らに向かって、進歩系議員が一斉に「親日攻撃」を浴びせる事態となっているのだ。

「建国の父」を公の場で呼び捨てで批判

　8月15日、ソウル・東大門デザインプラザで開かれた光復節記念式で、金元雄光復会会長は「親日清算」を重ねて主張し、その中で、韓国の建国に尽力した人々を「親日派」と非難した。特に矛先を向けられたのは、初代大統領である李承晩（イ・スンマン）氏。金氏は、「建国の父」に対して、尊称もつけず、「李承晩」と呼び捨てにするという無礼も躊躇わなかった。

「李承晩は反民特委（韓国政府樹立前に設けられた親日派の反民族行為を処断する機関）を暴力的に解体させ、親日派と結託した。大韓民国（韓国）は民族反逆者を清算できなかった唯一の国となり、清算できなかった歴史が今も続いている」

「最近、光復会は愛国歌（韓国の国家）を作曲した安益泰（アン・イクテ）の親日・親ナチス関連の資料をドイツ政府から受け取った。民族反逆者が作曲した歌を国家として定めた国は、全世界で大韓民国だけだ」

「ソウル顕忠院（国立墓地）の最も吉相の地に、独立軍討伐の先頭に立った者らが葬られている。（4月の総選挙で）地方区議員当選者計253人のうち、3分の2を超える190人が（親日派の墓を国立墓地から移転する）国立墓地法の改正に賛成した。今年秋の通常国会で国立墓地法が改正されると信じている」

　金氏は、現在の韓国には「親日」を清算できなかった罪で民族と反民族の対立構造が蔓延しており、民族共同体の繁栄を阻んでいるとも主張した。

「親日の未清算は、韓国社会の基底疾患だ。韓国社会の葛藤構造は保守vs進歩ではなく、民族vs反民族です。そして、南北間の分断克服の努力を露骨に妨害する国は日本だ。親日反民族勢力の行為も日本の極右の立場と驚くほど一致している」

「過去75年間、強固に形成された親日反民族勢力が、民族共同体を締め付けてきた。この巨大な絶望を打ち砕くか、できないか。我々は今、運命の大転換の岐路に立たされているのだ」