文在寅支持者、金会長発言を奇貨に批判回避を狙う
金会長の式辞は、国を二分させるものであり、国家統合を進める政権であれば容認できない内容を含んでいる。しかし、朝鮮日報によれば、青瓦台は金会長の光復節記念式における式辞内容を事前に報告を受けながら、修正を求めなかったという。
一部からは大統領と与党の支持率が同時に低下する中、「親日vs反日」の論争をあおることで局面を転換しようという意図が与党民主党の根底にあるとの指摘がある。「動揺する与党支持層を結集するため、反日感情に触れることほど効果的なものはないはずだ」というのである。
民主党は金会長の擁護に乗り出し、党代表選挙に出馬した李洛淵(イ・ナギョン)議員(前総理)はラジオインタビューで「光復会長としてはその程度の問題意識は言及できる」と述べた。
柳基洪(ユ・ギホン)議員は「未来統合党は親日派の代弁者なのか」、黄熙(ファン・ヒ)議員は「統合党は親日を清算しようというと、なぜ都合の悪さを堂々と表明するのかわからない」と擁護した。民主党議員は金会長に同調、親日派を掘り起こす「親日人士破墓法」を相次いで提案しているが、党指導部の方針は定まっていない。
親文在寅派は文在寅政権の支持率低下の要因となっている様々な問題から国民の目をそらすために、親日批判そして反日へ国民の目を向けようとしているのであろう。
しかし、こうした動きは韓国国内を一層分断させ、感情的なしこりを生み出すことになりかねない。
親日批判が反日と結びつく日
今後、徴用工問題を巡って日韓相互の報復の連鎖が出てくるかもしれない。その時、文在寅派は親日派=保守が日本と結託しているという図式で反日・親日派批判をするだろう。それは親文派の結束を強めるかもしれない。
レッドチーム入りを目指す親文派による長期政権は、東アジアにおける地政学を危険なものに変える危険性がある。また、日韓関係の上でも歴史問題にこだわる政権はマイナスである。
日本が親文派に利用されないよう、韓国の国内政治とは距離を置いておくことが賢明であろう。そのためには報復措置はとるにしても淡々と韓国国民を刺激しないよう細心の注意を払う必要がある。