英フィナンシャル・タイムズは8月18日、法人向けソフトウエア大手の米オラクルが動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の一部地域事業の買収に向けて親会社の中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)と予備段階の協議を行ったと報じた。
オラクル、米投資会社の協力で買収提案
TikTokの買収については、同じくソフトウエア大手の米マイクロソフトがバイトダンスと交渉していることを明らかにしている。
オラクルは、バイトダンスに出資する米セコイア・キャピタルや米ジェネラル・アトランティックなどの米投資会社に協力を仰いでおり、交渉を有利にしようとしているという。
フィナンシャル・タイムズによると、オラクルが狙っているのは、TikTokの米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の事業。
この報道に先立ち、フィナンシャル・タイムズは5人の関係者の話として、マイクロソフトがインドや欧州を含む、中国以外の全世界のTikTok事業の買収を模索していると伝えていた。
しかし、今回の報道によると、バイトダンスは4カ国の事業の買収提案に応じる意向はあるものの、それ以外の売却に反対しているという。
今回、オラクルという新たな候補が登場したことで、バイトダンスはより有利な条件で取引ができる可能性が出てきたと同紙は伝えている。
トランプ氏「米企業との協議不成立なら利用禁止」
トランプ米政権は、TikTokや対話アプリの「微信(ウィーチャット)」といった親会社が中国にあるサービスは「米国民の個人データに対する大きな脅威だ」と批判し、締め付けを強めている。