7月17日、衆議院第二議員会館にある国会事務所内でインタビューに応じた山尾志桜里議員。安田撮影

(安田 峰俊:ルポライター)

 衆議院議員・山尾志桜里の名前から、あなたは何を連想するだろうか。東大法学部から検察官を経て、2009年の衆院選で民主党から立候補して初当選し、現在で3期目。法曹出身者ならではのシャープな憲法観を持ち、かつては民進党の幹事長候補にも名が挙がった期待の若手女性代議士・・・であるいっぽう、週刊誌で報じられたスキャンダル疑惑によって悪い意味で世間に名を知られてしまった、不運な人でもある。

 だが、そんな山尾が現在、意外な分野で精彩を放っている。それは香港問題だ。

 昨年(2019年)以来、反政府デモが続いてきた香港では、今年6月30日夜に抗議活動を大幅に制限する国家安全維持法(国安法)が施行された。そこで7月12日、都内では在日香港人らによる抗議デモがおこなわれたのだが、なんと出発前の集会では山尾からの応援メッセージが読み上げられた。また、山尾が呼びかけ人の一人になる形で、香港問題に対処する議連の結成準備が進められ、7月29日に設立総会が開かれる。

 これまで日本では、リベラル陣営は中国の人権問題に対してほぼ無関心を貫く例が多かった。そうしたなかで、今回の彼女の動きはかなり異色に見える。真意を聞いた。

中国批判ができない自民党

──先日、代々木でおこなわれた「ウイグル×香港 連帯デモ」を取材した際、自民党の長尾敬議員の他に山尾さんが応援メッセージを寄せておられて驚いたんですよ。