立憲・国民合併で香港問題はどうなるか

──香港と直接関係がない話も聞かせてください。山尾さんは立ち位置的には旧民主党の右派に近い印象ですし、立憲民主党よりも国民民主党におられるほうがしっくりきます(注:山尾議員は2017年9月に民進党が事実上解党してから無所属、同年12月に立憲民主党入党を経て、今年3月に立憲を離党して国民民主党に移っている)。

 山尾さんの立憲からの離党は、コロナ対策に関連した新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案の決議にあたって党の方針に造反されたことが一因でしたから、当時は一波乱があったかと想像します。ところが現在、立憲と国民の再合併がほぼ確実な情勢になりました。この件はどう考えられますか。

山尾 この問題については、私はなにを話しても火種になりかねないので、かなり慎重にならないといけません。ただ、まとまるために政策をつくっていくのではなく、政策を実現するために党としてまとまっていく、という原則を揺るがしてはいけないとは思います。

 いま、国民民主党の玉木雄一郎代表が言っているのは、まずコロナ禍で家計を支え切るため期間限定の消費減税と積極給付。そのうえで、税と社会保障の問題や、再分配の問題、資本主義のあり方を抜本的に再検討すること。憲法については、統治構造を見直して三権分立の歪みを正していく、データ基本権などAI時代の観点から人権保障を捉え直すというように立憲主義の観点から前向きな憲法議論をしていくことです。私もこの2点に共感しています。

 こうした本質的な部分で、(立憲民主党と)いっしょにできるならば、できるとよいなと思っています。・・・というお答えでよいでしょうか?

──複雑な立場をお察しします(笑)。

山尾 うーん(笑)。ご心配をありがとうございます。

日本のためにやっている

──本来の話題に戻りましょうか。香港の国安法や中国国内の少数民族問題に懸念を持つ者としては、日本の政界から「日中友好」と「反中国」の教条的な文脈以外で、中国の人権事情に関心を持つ流れが生まれてきたのは、非常に注目するべき変化だと思います。

山尾 今回の香港問題にどう向き合うかは、日本外交の分岐点だと思うんですよ。西側の自由民主主義諸国が中国への視点を(警戒的なものに)変えつつある現在、もちろんすべてそれらに付和雷同する必要はないのですが、かといって意思なき八方美人的な姿勢では乗り切れない局面に来ていると考えます。

7月17日、衆議院第二議員会館にある国会事務所内でインタビューに応じた山尾議員。安田撮影

──香港問題とコロナ問題で、世界の分断は進んでいますからね。

山尾 香港の問題について、国際的に連帯して民主派勢力をサポートする動きが出ているなかで、どうやって日本が存在感を示して具体的な行動をみせていくか。これは日本の外交にとって、国益にかなうからこそやるべきだと思っています。

 私の議連結成の動きに対して、香港のみなさんから感謝のお手紙をもらったり、在日香港人の方から感謝されたりもするのですが、実は彼らだけのためにやっているわけじゃないんです。私は本当は日本のためにやっているんだと思っていますよ。

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「対中政策に関する議員連盟」は、7月29日に設立総会が開かれる。コロナの流行と国安法の施行によって、香港の街頭でのデモがほぼ停止された現在、香港デモをめぐる問題は日本を含めた世界を舞台にした第2ラウンドに移行した感がある。

(文中敬称略)