こんにちは。世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回は前後編で太平洋の島、パラオとニューカレドニアで出会った猫たちを紹介します。そして犬たちもたくさん出てきますよ。
今回はパラオです。海岸近くにある家で、木を揺すっている猫と出会いました。一体何をしているのか、家の人に聞いてみました。
名前はサス。生後6カ月くらいのオスです。この家にもらわれてきたばかりの子猫の頃、初めて蟹を見て追いかけると、蟹がこの木の下にある穴に入り込みました。写真の下の方、猫の両脇に黒い部分が2つ見えますが、それが蟹の穴です。
猫の習性で、蟹の穴に前足を入れたのでしょう。サスの大きな叫び声が聞こえたので、何事かと駆けつけると、穴に引きずり込まれそうになっていたそうです。彼は、とても痛くて怖い思いをしたことを忘れていないのだといいます。
いつか仕返しをしてやろうと、ずっとこの蟹穴を見つめていたサス。あるとき彼は、木が揺れると、蟹が穴から顔を出すという関連性に気がつきました。それで木を揺すり、蟹をおびき出そうとしているのだそうです。賢い!
仕返しするときはお手柔らかにねと、励ましました。しかし、蟹って怖いですね。
こちらは、サスの兄弟でサシミという名前。
パラオは、第二次世界大戦終了までの約25年間、日本が委任統治をしていました。このためいまでも日本語の単語が継承され、食文化や行事などに日本の影響が残っています。