こんにちは。世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。前編では東欧ブルガリアの首都ソフィアの猫たちを紹介しましたが、今回は高速バスに2時間ほど乗って、ブルガリア第2の都市プロブディフに向かいます。
前編
猫が必ず振り向く魔法の言葉をブルガリアで試したら
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61052
プロブディフの町中で、猫を膝に乗せていた女性に話を聞きました。この街で生まれ育った生粋のプロブディフっ子で、大学生だそうです。土産物屋でアルバイトをしながら、地域猫の世話をしていると話してくれました。
この猫の名前はマドンナ。子猫を2匹産んで育てたあと、里親さんを自分で見つけたというのです。
「え、どういうことですか?」
そろそろ子離れするというころ、店先に立って、自分のことを撫でたり、話しかけてきたりした人を注意深く観察していたそうです。
好感触だった人が数日後にまた現れたとき、母猫マドンナは子猫に声をかけて呼び出し、その人にお披露目したというのです。この人なら託しても大丈夫と見抜いたんですね。
その人は、「この子猫は、もらい先が決まっているの?」と学生の彼女に尋ねました。「マドンナが、あなたにもらってほしいと言っています」と答えると、その人は感激して、「一生、大切にしますとも。ときどき、会いに来るわよ」。そこから里子縁組の話がはじまったといいます。自分で見つけた里親さんなら、マドンナも安心できるよね。
マドンナと子猫の話は、1年ほど前のことだそうです。そのとき、近くの廃屋から子猫が顔を出しました(マドンナはその後、不妊手術を受けたので、母猫はマドンナではありません)。母猫を説き伏せてから里親を見つけるつもりだと、学生さんは言いました。