宇宙は世界の本体。その世界の至る所に微塵の世界がある。

 その微塵の世界に住む私たちは宇宙と直結することで、その霊威を得て世界の実像をはっきりと見ることができる。

 それは、根本原理さえ把握できれば、普通の人が思いがけないような多方面で、能力を発揮できるということを示す。

「感応相助(かんのうあいたすくる)の功(こう)、妙(たえ)なる矣哉(かな)」『遍照発揮性霊集』

 宇宙生命である如来と人が互いに通じ合う、その功悦はすばらしく妙味であると、空海は表現している。

曼荼羅が表す宇宙観

 密教では曼荼羅を崇拝する。では曼荼羅とは何か。

 それは宇宙の旋律とその世界秩序を 模式図であらわしたもので、曼荼羅には様々な種類や形態のものがある。

 真言密教の曼荼羅は金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅が象徴的なもので、これは多くの曼荼羅が、金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅の2つの曼荼羅に集約されたことを意味する。

 そして、この2つの曼荼羅が合一されると、さらに様々な世界が生じてくる。

 金剛界曼荼羅が男性的原理(精神・理性・方便)つまり陽の原理を表し、胎蔵曼荼羅は女性的原理(肉体・感情・般若)である陰の原理をあらわす。

 金剛界は空間の世界。胎蔵界は時間の世界をあらわし、それぞれの秩序を示す。

 宇宙は空間と時間の2つの相がある。その2つの相を曼荼羅は表現している。