2、卒業証書類の提出を頑なに拒否

 去る3月の都議会において、自民党の小宮あんり、川松真一朗、田村利光、三宅正彦の4人の都議が、代わる代わる小池氏に卒業証書類の提出を要請したが、小池氏はことごとく拒んだ。「すでに何度も公開しているので、これ以上公開する気はない」というのが理由である。

 小池氏の議会答弁には嘘と誇張が多いが、これもその一つだ。小池氏がまがりなりにも卒業証書類を見せたのは、前回の知事選前のフジテレビの「とくダネ!」での1回だけだ。しかもスクリーンショットの卒業証明書は有効性の最重要要件であるスタンプの印影(鷲のマークと周囲の文字)がことごとく判読不明、4か所ある署名欄は2つの署名しか確認できない、発行日も判読不明、右下にある署名らしきものも何なのか不明で、到底有効なものとは認められない。卒業証書にいたっては、明らかに複数の要件を欠いている。

 この点を三宅正彦都議に指摘された小池氏は「えー、卒業証書、卒業証明書がよく判読できない。アラビア語で書いてあるからであります」と即座に問題をすり替え、「それからまたこれも、非常に鮮明でございます。えー、そしてそれについて、あの、アラブの専門家の方々はすでに判読もしておられ、えー、そしてこれは正しいと、いうことを述べておられる方々も、おー、おられます」と答弁した。これもまったくの嘘である。

 筆者はこの画像を複数のエジプト人に見せたが、全員が前記の点に関し「読めない」と答えた。エジプト人でも読めないものを誰が判読できるというのか。もちろんこの卒業証明書が真正なものだと述べたアラブの専門家など一人もいない。三宅議員からは、これで鮮明というのはまったく理解できず、証書類を出せばそれで済むことだとあらためて指摘された。

 小池氏はよほど卒業証書類を見せたくないらしい。見せたくないのは、何か問題があるからで、有印私文書偽造・同行使の疑いをかけられても文句は言えないだろう。そうでないと言うのなら、現物を堂々と都議会に提出し、疑惑を払拭すればいいだけのことだ。現物でない限り、コピーや切り貼りはいくらでも可能だ。

 これが小池氏の言うことが信じられない理由の2つ目である。