また中国湖北省武漢市で3月28日までに、新型コロナに感染した死者の遺骨の受け取りや埋葬が始まった。
検査が追いつかず政府発表より実際の死者数が多い可能性が以前から指摘されていたが、多数の人が行列を作ったことで、市民の間で死者数を巡る疑念が再燃している。
住民によると、武漢の葬儀場では3月26日頃から感染防止のため停止していた遺骨の受け取りが始まった。SNSでは受け取りや墓の購入のため、葬儀場や墓地に大勢の人が並ぶ写真が出回った。
武漢の感染による死者数はそれまでに計2538人とされている。しかしSNSでは、行列の人数などから感染による死者は数万人に上るとの推測も広がった(『共同通信』2020年3月28日)。
このように、中国当局の隠蔽と虚偽、ネット監視、言論統制の姿勢は何ら変化がなく、中国の国内外に感染拡大を広める元凶となっていることは、紛れもない事実と言える。
中国国内での感染が収束に向かっているとの中国当局の発表には信頼がおけず、封鎖解除が第2次の感染爆発をもたらす恐れが大きいと言わねばならない。
習近平政権は経済再建を急いでいるが、李克強首相は感染収束を優先すべきだと主張するなど、政権内部の対立も伝えられている。
中国の宣伝機関による、「習近平主席の指導下でわれわれが疫病との戦いに勝ち続けている」との、いわば「戦勝ムード」が醸し出されている中、李克強首相が「第2の感染爆発」が起きる可能性を指摘、感染の情報公開「透明性」にも言及した。
李克強首相のこの発言を国務院が開設している「中国政府網」という政府の公式サイトは掲載した。
しかし、党中央共産党宣伝部の管理下にある人民日報は、李克強首相主宰の新型肺炎対策会議の内容を1面で報道したものの、「中国政府網」掲載の李首相発言の重要ポイントは報じなかった。
(https://blog.goo.ne.jp/yuujii_1946/e/f8de768690e123aa31117c99d97dd45d)
今後この新型コロナウイルス問題は、党内の権力闘争、さらには、2次感染拡大などを招くことになれば、習近平氏の失脚にまで発展する可能性を秘めている。
また感染は人民解放軍内にも拡大している模様である。