(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)
米国のジョンズ・ホプキンス大学が世界各国のコロナウイルスの感染状況についてデータを公開しており、日本のマスコミの元データになっている。このような膨大なデータを短い時間に集めて公表する能力は他のどの国もない。そこに米国の底力を感じないわけにはいかない。米国と覇権を争っている中国でも無理だろう。もっとも中国がデータを集計しても世界の人々はそのデータを信用しないと思うが(笑)。この一事をとっても、中国が米国と覇権を争う国になれないことは明らかだ。
このデータを使って人口10万人当たりの感染者数について考えてみたい。下の表に東アジア、東南アジア、それに欧米とオーストラリアの値を示した。
欧米よりも極端に少ないアジアの感染者
人口の10万人当たりの人数を計算してみると、改めて見えてくるものがある。第一にはアジアに比べて欧米での感染者が極端に多いことである。
最も多いスペインでは人口10万人当たり332人もの感染者がいる。つまり1000人の中で3人が感染している。その他でもイタリアが231名、フランスが170名などとなっている。米国の感染者数は世界で最も多いが、人口も多いために10万人当たりの感染者は131人に留まる。