3月25日の東京都知事記者会見(写真:アフロ)

 新年度に入りましたが、全世界規模で見たとき、新型コロナウイルスの猛威は収まる気配が確認できません。

「ピーク」という表現を目にします。いわく「ピークを低くしろ」「ピークを遅らせろ」などなど。

 前者は、発生する患者数の「最大値」=頂上、山のてっぺん=ピークが地域の医療キャパシティを超えてしまうと「医療崩壊」が起きてしまうから、医療体制のキャパシティに合う範囲「水際」で食い止めろという警鐘。

 後者は「治療法などの確立までに時間がかかっているのだから<治る病気>になるまで、時間を稼げ」という警句と考えることができます。

 しかし、この「ピーク」というものがいつ到来するのか・・・つまり「頂点」を過ぎて下降線のカーブをなだらかに描く時期がいつ到来するのか。

 ひとまずの事態の収拾を5月とか夏頃とか予測する記事も目にするのですが、どうしてそのような予測が出せるのか、疫学的な観点からは根拠を見つけることができません。

 しかし、別の「理由」ないし「事情」は察することが出来るように思います。

 経済的な損失を前提に、予防的に流す「観測」としては、その「狙い」は理解できないわけではありません。

いたずらに危機を煽るべきではないが・・・

 3月末の段階で全世界のコロナ感染者数は約70万人、その2割を超える15万人強は米国に集中し、次いでイタリアの10万人、スペインの8万5000人などが続きます。

 中国はスペインを下回る8万1470人の「感染者」と発表していますが、症状の出ていない人をカウントしないなど、数字が操作されているのは、すでに報道されている通りで、文字通りに取るわけにはゆきません。

 統治から経済への波及効果、証券相場まで、様々な影響を念頭に、数字には手が加えられている可能性があり、文字通りに受け取ったり、単純に比較したり、足し算したりすることで得られる知見には限界があることは間違いありません。

 NHKによると、3月末時点での国内総感染者数は2193人、これにクルーズ船の感染者712人を加えると「2905人」というのが、新年度あたま時点での総数だというのですが・・・。