永田町でも高まる「首都機能移転」の機運

 そういう心配が高じる中、最近、永田町で起きたある動きが複数の新聞で報じられました。自民党の中堅・若手の議員約20名が、首都機能移転の勉強会を始めたというのです。

 報道によれば一極集中の是正に向けて1999年に政府の審議会が、国会等移転の候補地として挙げた、「栃木・福島地域」、「岐阜・愛知地域」、「三重・畿央地域」の3地域について、もう一度、時代の変化を踏まえて検討する考えのようです。また当時、およそ12兆円と見積もられていた移転費用も再計算し、今の時点で首都機能移転をしたときにはどれくらいの費用が掛かるのかを検証するようです。私はこの報道を非常に興味深く読みました。

 新聞記事には書いていませんが、おそらくこの動きの背景には今回の新型コロナの一件があります。「もしも東京でパンデミックが起きたら」という危機感です。もっと言えば東日本大震災の教訓もあるでしょう。ちょうど3月11日が過ぎ、節目の震災後10年目に入りました。経済的にも政治的にも、東京に集中しすぎているのは不測の事態に直面した場合、非常に脆い。「万が一の時にも国家的な危機だけは回避しなくてはならない」というリスク回避の観点から、こういう勉強会の動きが出てきたのでしょう。

 私も、首都機能の移転は、リスク分散の観点からも、是非とも進めるべきだと思います。そして、さらに首都機能移転には、このリスク回避の観点に加え、さらに2つほど重要な観点があると思います。

 1つは景気浮揚、そしてもう1つは、地方創生という観点です。この2つが満たされるかどうかも大事なポイントになるはずです。