中国石油化工集団(シノペック)が1日当たりの処理能力を約60万バレル削減するなど、中国の2月の原油処理量は日量100万バレル以上減少することが予想されている。世界第1位の輸入国となった中国の昨年の原油輸入量は前年比91万バレル増の日量約1000万バレルとなったが、輸入の伸びに貢献してきた山東省の独立系精製業者(茶壺)も30~50%の処理量削減を行っているとされている。

 2月3日付ブルームバーグは、現地関係者の取材に基づき「中国の原油需要は20%(日量約300万バレル)減少した」と報じたが、日量300万バレルという数字は、リーマンショック後の需要減退の規模に相当する。だが、中国の原油需要の減少が日量300万バレルの水準で止まる保証はない。

 JPモルガンは2月7日、「中国の第1四半期の経済成長率は1%に急減速する」とする悲観的な観測を示した。新型コロナウイルスの影響で中国の不動産バブルの崩壊が生じてしまうリスクが出ているからである。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの開発業者が販売拠点を閉鎖した。これにより2月第1週の中国の新築集合住宅販売件数は前年比90%減となった(2月11日付ZeroHedge)。中国の不動産市場は43兆ドル規模に上り、国内総生産(GDP)の4分の1を占めるとの推計がある(2月10日付フィナンシャルタイムズ)。新型肺炎によって取引が止まり、不動産デベロッパーは多額の債務の返済が困難になりつつある(2月4日付ロイター)。このままの状態が続けば過剰な債務を抱えるデべロッパーの大量倒産が発生するのは火を見るより明らかである。

 中国銀行保険監督管理委員会は2月7日、「新型コロナウイルスの感染拡大によって銀行の不良債権比率は上昇する」と述べた。「中国の銀行システムは6兆ドル規模の不良債権を抱えることになる」という恐ろしいシナリオが浮上しており(2月11日付ZeroHedge)、長年指摘されてきた中国発の金融危機が現実味を帯びてきている。

 筆者は原油需要以上に中国の原油輸入量が減少すると考えている。

 中国の原油輸入量はこのところ国内の需要量の増加を上回るペースで伸びているが、官民の備蓄積み増しの動きに加え、国内市場が飽和しつつある中でも新たな製油所が稼働するなどの要因から、「輸入バブル」が発生しているからである。