中国湖北省、武漢を中心に流行し始めたコロナウイルスによる新型肺炎の猛威が増しています。中国では致死率が5.5%に上昇したとの報道もありました。
「新型肺炎」の病原体は「新型コロナウイルス」(2019n-CoV)とされます。
新型というのは、新たに確認されたということで、既存のワクチンなどで対処できないので厄介な蔓延が懸念されている。
すぐに想起されるのが2002年から2003年に流行した「SARS」で、これもまた「新型コロナウイルス」によって引き起こされた疫病禍でありました。
SARSとは(Severe Acute Respiratory Syndrome)「重症で、急性の、呼吸器に現れる症状」という病態を表す言葉で、その正体が突き止められていなかった時期における疫病流行の現象を示す言葉にすぎません。
「サーズ」という、特定の悪さをする奴がいるわけではない。「不況」とか「不景気」のように症例、状態を示しています。
その意味では今回の「新型肺炎」もまたSARSの状態であって「重篤な、急に呼吸器に症状が現れる伝染病症状そのものと言ってよいかと思います。
2002-03年のSARSもまた中国、広東省を感染源とし、元来は野生動物だけに伝染して人間にはうつらなかったウイルスが突然変異、人にも襲いかかるようになった経緯が突き止められました。
野生動物を扱う市場関係者から発症者が見られ始めた経緯を追いつつ、病原性ウイルスの遺伝子解析を進めた結果、こうした経緯が判明したものです。
今回の新型コロナウイルスも、元来はコウモリの伝染病で、人には伝染しないタイプであったものが、突然変異など何らかの理由で他の動物にも感染するようになった可能性が指摘されています。