下関市立大学(ウィキペディアより)

 弁護士の郷原信郎さんにお声がけいただいて山口県下関市を訪れ、市民シンポジウムに登壇してきました。

 郷原さんの進行で、パネリストは映画評論家の元「ミスター文部省」寺脇研さんと私というラインナップです。

 郷原さんはこの件を昨年12月に知ったそうで、郷原さんから伺って私がこの問題を知ったのは12月下旬になってからで、その時点でマスコミが報道していた情報をもとに、12月23日付でコラムを(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58694)記しました。

 経済学の単科大学である下関市立大学では、後述するように、新たに経済とは似ても似つかない、無関係の新分野で「専攻科」が設置されようとしています。

 その内容や新たに採用しようとしている人物の資質、経歴、業績なども率直に申してよく分かりませんでした。

 現実に下関市立大学の中で何が起きているのかも、実のところさっぱり分かりません。しかし、既報の情報からだけ考えても、十二分に常軌を逸した事態が進行していないか、強く懸念されます。

 こうした認識は、私のみならず3人のパネリスト全員に共有されるものでした。しかし、骨太の公務員OB両氏に比べ、私がいかにも役不足であるのは否めません。

 実際、昨年から公開されていたポスターにはお2人のお名前と顔が印刷、告知され、私の参加は今年1月半ばになってから決まったものでした。

 というのも冬場の時期は日本にいたりいなかったりで、東京にいる時期は演奏予定だけでスケジュールがいっぱいになってしまうからです。

 しかし、何とか調整がつき、実際参加してみて思ったことは3つ。

 第1は、アカデミックな議論に徹するという観点で、私が末席を汚すことにもいささかの意味があったかもしれないこと。

 2つ目は、今回ご一緒して、個人的に郷原さん、寺脇さんのお2人を、以前より人間として、とても好きになりました。改めて、線の太い、男っぽい、素敵な方々と思います。

 そして最後に、下関市立大学の「大学破壊」状態が、想像を絶して凄まじい状態にあるらしいことを、現地に来て改めて強く感じました。

 あえて言うなら「大学の狂牛病化」とでも表現するべきでしょうか・・・。

 どういうことかというと、「脳がスポンジ化して、思考が空洞化している」印象をもち、思わずこんなフレーズが頭をよぎったというものです。