近代的な大学の校舎

 1月10日の夕刻、名古屋市内の名城大学「天白キャンパス」理工学部の研究実験棟で40歳の准教授がハサミで首などを刺される、殺人未遂事件が発生したことは、すでに報道されている通りです。

 犯人として、建物内にいた理工学部3年の学生(22)が殺人未遂の疑いで逮捕されました。警察の調べに対して、容疑を認めているようです。

 事件の直前、容疑者は「リポート提出が期限に間に合わないこと」を謝罪するべく、准教授の研究室を訪ねたようです。

 年明け第1週末、金曜の10日がリポートの提出期限であったらしく、その期限にリポートが間に合わないと謝罪に向かったところ、「単位をあげないと言われ腹が立ち、何度も刺した」と供述しているとのこと。

 各種報道はもとより、ネット上にも様々な記載が見られますが、アカデミアの観点から他メディアの記さないであろう内容を中心に、考えてみたいと思います。

「単位あげない」と学事カレンダー

 まず、話題になっている「単位をあげない」から、年間の学事カレンダーを考えてみます。

 正月休み明け、第1週末に提出期限を設定されたリポートであれば、まず間違いなく昨年12月以前に出題されたものでしょう。

 犯行があった建物は実験棟で、そこに居室のある先生が被害者なので、もしかすると実験実習のリポートなのかもしれません、

 つまり12月後半以前に実験の日取りがあり、終了後2週程度の猶予を与えてリポート提出期限を定めるのが普通と思いますので、それに間に合わなかったといった状態が考えられます。

 さて、1年を通じて「大学にとっての1月」が、どういう時期かを考えてみましょう。