(西尾 太:人事コンサルタント、フォー・ノーツ代表取締役社長)
私が若かった時、「上司に使われているうちは半人前だ。上司は使うもんだ」と教えてくれた人がいました。その時は意味がよくわかりませんでした。上司とは、私に指示命令し、面倒なことをさせ、成績が振るわないと活を入れる存在、だと思っていました。だからどちらかと言うと「うざったい」存在でした。
「上司を使う」とはどういうことなんでしょうか。
上司の「かっこいい」10機能
考えてみれば、上司には部下に仕事の指示を出すだけでなく次のような機能もあります。上司の「かっこいい」機能を挙げてみましょう。
(1)部下がやりたいことを「承認」してくれる
やりたいことを「承認」してくれると、責任は上司がとることになります。なんて便利でしょう。稟議書などは、面倒だけど「責任をとってもらう手続書」みたいなものということですね。
上司には「承認する/しない」を決める役割があるのです。OKなのかNGなのか、NGならなぜそうなのかをしっかり説明しなければなりません。決めない上司は罪です。仕事が進みません。
(2)上に掛け合って案件を通してきてくれる
課長の上に部長、その上に役員、社長がいるわけですが、課長や部長には、上の役職の人に話を通してきてくれる役割があります。「わかった、社長にオーケーもらってくる」って言ってくれる上司、なんと「かっこいい」のでしょう。間違っても部下に「おまえ、社長のところに行ってこい」なんて命じてはなりません。一緒に行くのはありですが、部下だけ行かせるのは罪です。使えない上司になってしまいます。