ただしこれはトランプ大統領のいう「レッドライン」を超える実験になる可能性がある。金委員長は、そのような核実験やICBM発射の挑発を敢行するだろうか。
金正恩の言葉から読み取る「韓国無視戦略」
一方、今回の党全員会議の報告には「韓国」という言葉は一度も登場しなかった。「先端戦争装備を南朝鮮(韓国)に持ち込んだ」とし、米国を非難する過程で一度言及されただけだった。金委員長が昨年発表した新年の辞で、「南北関係」が10回も言及されたのと対照的だ。
もちろん金委員長のこのような態度は、多分に「意図的」と分析されている。意図的に「無視戦略」を取ることで、韓国に対し、米国が主導する対北朝鮮制裁の隊列から離脱しろと圧迫しているのだ。
このような空気を感じ取った韓国軍の制服組トップ・合同参謀本部議長は1日、一線の部隊に送った新年の辞で、「北朝鮮が局面を打開するために戦略的・戦術的挑発をいつでも実行する可能性のある状況だ」として、「敵の挑発時には左顧右眄しないで自衛権の次元で断固として躊躇することがなく対応して、現場で作戦を勝利で終結しなければならない」と指示した。
文在寅(ムン・ジェイン)政権に入ってから、軍規律のためのメッセージとはいえ、国防部長官はもちろん制服組のトップでさえ、北朝鮮に対してこのように強硬な発言をした例はない。韓国軍も尋常でない雰囲気を感知しているのだ。
だが、これらはこれまでの金正恩委員長の言動から、ある程度は予想できることだったとも言える。今回の党全員会議の報告で注目すべきことは別の点にある。金委員長が「新たな道を歩む」と述べた部分だろう。