(みかめ ゆきよみ:ライター・漫画家)
古き良き江戸情緒が残る日本橋。散策にもうってつけのこの街には、金運がアップする神社が数多く点在しています。そこで本稿では、約2時間程度でまわれる金運アップ系神社をご紹介します。
小綱神社:金運を求め休日には長蛇の列が
人形町駅から徒歩5分の位置にある小綱神社。地元の氏神様という雰囲気ですが、休日ともなれば金運アップのご利益にあやかりに大勢の人で賑わいます。主な祭神は倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、市杵島比賣神(いちきしまひめのかみ)、福禄寿(ふくろくじゅ)。お稲荷様と弁財天と福禄寿という、なんとも縁起のいい組み合わせです。
この地には観世音と弁財天とを安置する万福庵があり、これに稲荷社が加わり周辺地域の氏神になったといいます。中世の頃、地域の人々は疫病に苦しめられましたが、どこからか網師の翁が現れこれを鎮めました。このことから網師の翁を稲荷大神として祀るようになりました。
境内にある神楽殿は五角形の特殊な造りが特徴で、社殿とともに昭和4年に造営されました。社殿および神楽殿は、中央区に残る数少ない木造の神社建築でもあり、中央区民文化財に登録されています。
撮影/みかめ ゆきよみ
小綱神社は「東京銭洗い弁天」が有名。硬貨をザルに入れ井に浸して清め、使わずに「種銭」としてお財布に入れておくと新たなお金を呼び込むというもの。こちらも休日となれば長蛇の列ができます。
兜神社:日本証券取引所が氏子総代の守り神
小網神社から日本橋川をはさみ南西に位置する兜神社。証券界の守り神とされています。主な祭神は倉稲魂命(うがのみたまのみこと)で、合祀のさいに大国主命(おおくにぬしのみこと)と事代主神(ことしろぬしのみこと)が祀られました。お稲荷様と大黒様と恵比寿様。こちらも縁起のいい組み合わせです。
撮影/みかめ ゆきよみ
兜神社は江戸時代の地図に「鎧稲荷」として描かれており、境内にある「兜塚」とともに漁民の信仰を集めていたといわれています。兜塚の起源については諸説ありはっきりしていません。鎧稲荷も平将門を祀ったなど様々な説があり、はっきりしていませんが、平安時代から信仰されていたのは確かなようです。
明治4年、東京商社(現三井物産)の移転に伴い、鎧稲荷と兜塚を合併、源義家を祭神に兜神社を創建します。のちに三井家が信仰する三囲(みめぐり)稲荷神社から大国主命と事代主神を勧請し、明治11年、東京株式取引所(現日本証券取引所)の設立に伴い、取引所が氏子総代となりました。
境内はこじんまりとしており社務所等はありませんが、よく手入れされています。取材した日も証券マンとおぼしき男性が熱心に参拝していました。