意外な要素、「重さ」が食べ物の味を左右していた

食器の重さも影響する人間の感覚の不思議

2019.12.13(Fri)漆原 次郎

スプーンの実験では反対の結果に

重さのないスプーンやフォークで食べたときの食べものの味は、どう感じられるだろうか(画像はイメージ)。

「重さ」と「濃さ」に正の相関性を感じられなくもない。ところが、一筋縄ではいかないことを思わせる結果が、別の研究チームにより2013年に発表された*2

 英国のバネッサ・ハーラーとチャールズ・スペンスの研究チームは、上記のヨーグルト・ボウル実験と似た内容の実験を、ボウルでなくスプーンの重さを変えて行った。ティースプーン大のプラスチック製スプーンで2.35gのものと6.57gのもの、また、ひとまわり大きいテーブルスプーン大のプラスチック製スプーンで3.73gのものと10.84gのものなどを用意し、被験者たちにヨーグルトを食べてもらった。ちなみに、1gは1円玉1枚の重さに等しい。

 重いスプーンで食べたときと軽いスプーンで食べたときで、感じ方にどのような違いが生じただろうか。

重さの違うスプーンで食べたときの、知覚されたヨーグルトの「濃さ」。軽いほうのスプーンで食べたときのほうが「濃さ」の値は高くなった。(出所:*2のグラフをもとに筆者作成)

 結果は、上記のヨーグルト・ボウル実験とは反対のものとなった。軽いほうのスプーンで食べたときのほうが「濃さ」の度合いが高くなったのである。また、「高価さ」の度合いも、軽いほうのスプーンで食べたときのほうが高くなった。

 一見、ヨーグルト・ボウル実験と相容れないような結果にも思える。この研究を伝える記事によると、スプーン実験を行った研究者たちは、プラスチック製スプーンはもともと軽いものであるため、重いスプーンは予想と対立するものであり、その精神的不連続性が食べものの味覚そのものに影響したと見ているという。

 あなたは、重いカトラリーで食べるときと、軽いカトラリーで食べるとき、どのような感覚を抱くだろうか。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る