ロイター通信によると、トランプ米大統領は米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)を伴って、アップル製品を製造しているテキサス州の工場を視察する予定だという。
トランプ氏とクック氏は良好な関係
視察は早ければ11月の第4週にも実現する見通し。米国製造業の強化を打ち出すトランプ氏にとっては、アップルというトップ企業の事例を見せることで、実績をアピールできる。一方で、対中制裁関税のさらなる適用除外を米政権に求めているクックCEOにとっては、トランプ氏との良好な関係を示すよい機会になるという。
これに先立つ今年9月20日、通商代表部(USTR)は、パソコンのマウスやトラックパッドなどアップルが求めていた同社製品の部品10品目の対中制裁関税免除措置を認めた(米ウォール・ストリート・ジャーナル)。
その3日後、アップルは、パソコンの最上位機種「Mac Pro」の新モデルを引き続き米国で生産すると発表した。このときクックCEOは声明で、米国生産を後押ししたトランプ政権に感謝すると述べ、十数社の米企業が開発・製造した部品を用い、従来と同様にテキサス州オースティンの工場で生産を開始することを明らかにした。
それ以来、両氏は良好な関係を保っているようだ。しかし、そこに至るまでにアップルはトランプ氏に翻弄されたという経緯がある。
トランプ氏に翻弄されたアップル
ことの発端は、6月のウォール・ストリート・ジャーナルの報道だ。同紙は、アップルがMac Proの最新モデルを中国で製造していると報じた。2013年に発売した前モデルは米国で製造しており、アップルは米国産をアピールしていた。