トランプ氏、対中関税引き上げを擁護 大阪G20に合わせ米中首脳会談か

中国・北京の人民大会堂で握手するドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(2017年11月9日撮影、資料写真)。(c)Fred DUFOUR / AFP〔AFPBB News

 米中貿易摩擦が取り沙汰されるなか、米首都ワシントンの政府高官からの話が耳に入ってきた。

 「米中には思っている以上の溝がある」

 両国間の交渉はいま、ほとんど修復できないくらいの状況に陥っているという。貿易摩擦と言われてきた両国間の軋轢はすでに「貿易戦争」と呼ばれる領域に入っている。

 しかも同政府高官は「年内に米中関係が修復されることは難しいかもしれない」とまで述べているのだ。

 同問題を取材するワシントン在住ジャーナリスト、ジョナサン・スワン氏も両国の隔たりを認め、「長い貿易戦争に突入するかもしれない」と指摘する。

 ドナルド・トランプ政権は13日、中国への制裁関税の第4弾として約3000億ドル(約33兆円)分の製品に最大25%の関税を課すと発表。

 中国外務省報道官はすぐに「我々は恐れない。圧力には最後までつきあう」と全く怯んだ様子をみせず、むしろ敵対的な態度をとる。

 制裁関税の発表を受けて、13日の米ダウ工業株30種平均は下落し、前週末比617ドル安で今年2番目の下げ幅となった。

 トランプ氏は株式市場を宥める意味で、来月下旬に予定されているG20大阪サミットで習近平国家主席と会う可能性に言及したばかりか、「たいへん実りのある会談になるだろう」と言ってみせた。

 だがこの発言の根拠は乏しく、単に株式市場を沈静化するためのものである可能性が高い。