米中貿易摩擦が取り沙汰されるなか、米首都ワシントンの政府高官からの話が耳に入ってきた。
「米中には思っている以上の溝がある」
両国間の交渉はいま、ほとんど修復できないくらいの状況に陥っているという。貿易摩擦と言われてきた両国間の軋轢はすでに「貿易戦争」と呼ばれる領域に入っている。
しかも同政府高官は「年内に米中関係が修復されることは難しいかもしれない」とまで述べているのだ。
同問題を取材するワシントン在住ジャーナリスト、ジョナサン・スワン氏も両国の隔たりを認め、「長い貿易戦争に突入するかもしれない」と指摘する。
ドナルド・トランプ政権は13日、中国への制裁関税の第4弾として約3000億ドル(約33兆円)分の製品に最大25%の関税を課すと発表。
中国外務省報道官はすぐに「我々は恐れない。圧力には最後までつきあう」と全く怯んだ様子をみせず、むしろ敵対的な態度をとる。
制裁関税の発表を受けて、13日の米ダウ工業株30種平均は下落し、前週末比617ドル安で今年2番目の下げ幅となった。
トランプ氏は株式市場を宥める意味で、来月下旬に予定されているG20大阪サミットで習近平国家主席と会う可能性に言及したばかりか、「たいへん実りのある会談になるだろう」と言ってみせた。
だがこの発言の根拠は乏しく、単に株式市場を沈静化するためのものである可能性が高い。