トランプ氏、提案拒否の下院議長を非難 政府閉鎖、歩み寄りの兆しも

ドナルド・トランプ米大統領(左、2019年1月19日撮影)と民主党のナンシー・ペロシ下院議長(同1月3日撮影)。(c)Jim WATSON and Alex Edelman / AFP〔AFPBB News

 政権誕生時から取り沙汰されていたドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)の弾劾の可能性が、ほとんどなくなった。

 というのも、政敵と言っても過言ではない民主党ナンシー・ペロシ下院議長(以下ペロシ)が白旗を揚げたからである。

 11日付『ワシントン・ポスト・マガジン』のインタビューの中で、ペロシははっきりと「弾劾を支持しません」と否定的な態度を表した。

 「これまでメディア関係者に(弾劾について)明言したことはありませんでした」と前置きし、トランプを弾劾する意向がないことを告げた。

 だがそれはトランプのロシア疑惑が消えたことを意味しない。ペロシの弾劾否定がすぐにトランプの身の潔白に結びつくわけではないからだ。

 ロバート・モラー特別検察官による同疑惑の報告書はまだ司法長官に提出されていない。

 いまでも2016年大統領選でトランプがロシア政府と共謀した可能性はある。むしろ、何らかの違法行為をしていた嫌疑の方が強いくらいだ。

 にもかかわらず、早々とペロシは1人で白旗を揚げてしまった。