年の瀬になって、米政府から暗い内容の報告書が公表された。米住宅都市開発省(HUD)がまとめた「2018年版ホームレス評価報告書」である。
2年連続で米国内のホームレス人口が増えたという内容だ。いまさら米国のホームレス人口が増えたことに驚かれる方は少ないかもしれない。
ただバラク・オバマ政権時代が終わるまで、ホームレス人口は減少傾向にあった。
低失業率なのになぜか増えるホームレス
改善の流れがあったにもかかわらず、ドナルド・トランプ政権になって再びホームレスが増え始めたのだ。
実数にすると55万3000人。
ホームレス人口は経済と密接にかかわっている。不景気になり、企業倒産が増えて失業者が町に溢れればホームレスも増えることになるが、今年の米経済は悪くない。
12月に入って株価の急落はあったが、GDP(国内総生産)は年3%成長を達成できそうだし、失業率も現在3.7%と低率である。
ほかの経済指標も良好で活況と言っても差し支えない。それなのにホームレスが増えているのはなぜなのか。