最低時給賃金は州によって差がある。例えばモンタナ州では8ドル30セント(913円)だが、首都ワシントンの最低時給は13ドル25セント(1457円)。

 ワシントン市内で2LDKのアパートを借り、子供を養うには最低時給34ドル48セントが必要だと算出している。

 もちろんこれは一例に過ぎない。市内から郊外に出て、築年数のいった物件であれば生活できないことはないだろう。

両親の預金が尽き食費が払えず

 しかし職場に近いなどの理由で都市部にとどまりたい人たちもいる。

 カリフォルニア州サンフランシスコ市に住むフランシスコ・ヴァルガスさん(23)は高校卒業後、病弱な両親を支えるために昼間はビルのメンテナンス管理の仕事をし、夜間に短大へ通っていた。

 だが両親の預金が尽きると、ヴァルガスさんの給料では2LDKアパートの家賃と家族の食費、短大の学費を支払うことはできなくなった。

 家族はアパートを出て、奥行き5メートルのアルミ製トレーラーの中に移り住んだ。

 住宅ではないので広義ではホームレスの範疇に入る。それでもヴァルガスさんは定職に就き、スマートフォンを持ち、中古だがマイカーにも乗っている。