トランプ氏、マティス氏批判で同盟国に矛先 「付け込ませない」

米首都ワシントンの上院前で報道陣に囲まれるジェームズ・マティス国防長官(2018年12月12日撮影)。(c)Thomas WATKINS / AFP〔AFPBB News

 トランプ政権発足時より国防長官としてトランプ大統領を支えてきたジェームズ・マティス国防長官が2019年2月28日をもって辞任する旨を表明した。直接的な引き金となったのは、シリアからの米軍撤退というトランプ大統領の決定だった。

 マティス国防長官に引き続き、ブレット・マクガーク対IS(いわゆる「イスラム国」)グローバル連合大統領特使も2018年12月31日付での辞任を表明した。

 アメリカはシリアにおける多国籍軍の対IS軍事作戦を主導してきた。その作戦からの米軍撤退に関しては、マティス国防長官やマクガーク大統領特使だけでなく、多くの大統領顧問たちや軍首脳たち、さらには連邦議会(共和党、民主党双方)からも強い批判が湧き上がっている。

アメリカが主導してきたシリア介入には軍事的・非軍事的な協力国が多数参加している

 また、マティス国防長官がトランプ大統領に提出した辞任に関する書簡からは、マティス元海兵隊大将と大統領の間には、シリアからの撤退という問題にとどまらず、国防政策に関する幅広い意見の相違が生じていたことが明確に読み取れる。