「かなり」と述べたのは、米議会では日本のような党議拘束がないため、議員が独自の判断で投票する権利があるためだ。
党のトップに反対する形で投票をすることは米国の日常でもある。
しかしトランプが発令したメキシコ国境の壁予算を盛り込んだ非常事態宣言の採決では、民主党議員たちはペロシの下で団結して否決した。
それでも今回の「弾劾せず」のペロシの判断は党内を割ることになってしまった。
ペロシの考えに反対する代表格は下院金融サービス委員会マキシン・ウォーターズ委員長だ。米テレビMSNBCでこう発言している。
「(弾劾については)モラー特別検察官が決めるのではなく、連邦議会が決めるべきなのです。トランプが憲法を冒涜していることは明白で、弾劾の必要があると信じています」
ペロシの顔色などうかがう必要がないといった強い口調である。トランプの弾劾こそが民主党議員の使命であるかのような態度を崩さない。
一方で慎重派もいる。下院でペロシとならびキーマンと呼べる下院司法委員会ジェロルド・ナドラー委員長がそうだ。