今冬、米国の中西部は寒波だけでなく経済的にも大きな打撃を受けている。
特に大豆を生産する農家の中には生計を立てられず、破産に追い込まれているところもある。
実態を眺めていくと、農家の破産とドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)の選挙とに因果関係が見受けられる。どういうことなのか。
破産する農家が増え始めたのは昨年の春頃からで、悪天候が引き金になっているわけではない。
破産農家が増えている場所はノースダコタ州からアーカンソー州に至る米国の中央部の諸州と五大湖を取り巻く諸州で、農家の破産率は2017年比の2倍に達している州もある。
主な原因は穀物価格の下落と、米中両国が相互に課した関税のせいで、中国が米国産大豆を買わなくなったことにある。
何十年も中西部の広大な土地で穀物を生産してきた生産者にとっては深刻すぎるほどの打撃である。
ミネソタ州の農業団体に努めるロナルド・ワーツさんは、廃業に追い込まれた農家の多くは「トランプの制裁関税のせい」であると述べている。