南シナ海で軍事拠点化を進める中国に対し、米軍が対中政策により力を入れ始めている。
3月19日、ハワイのフォート・シャフター陸軍基地で開かれた会議で、米太平洋軍司令官のロバート・ブラウン陸軍大将が中国に対抗するため、本土から数千から万単位の兵士をアジアに配備する用意があると述べたのだ。
「南シナ海で問題(有事)が起きた時には陸海空および海兵隊の兵力が協力し合って対処していくことになります」
この発言が海軍大将ではなく陸軍大将から出たところに注目したい。
中国が南シナ海で人工島を造成し、軍事基地化を進めている中で、ブラウン大将は陸軍の出動も念頭に入れているということだ。
米軍準機関紙『星条旗新聞』によると、実際の有事になった時にはハワイ州、ワシントン州、アラスカ州などから陸軍兵士を短期間、アジアに配備することになるという。
同大将は具体的な兵数を口にしていないが、準備を整えている。
「誰も紛争を望んでいません。我々も望みませんが、有事の際にはどんなシナリオにも対応できる体制を整える必要があります」