米グーグルが、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)との取引を一部停止したと米ロイター通信が伝えている。
Google Play、Chrome、Gmail、YouTubeなど搭載不可能に
これにより、ファーウェイは、グーグルが提供しているモバイルOS「Android」を現在のような形で使用できなくなり、同社スマートフォン事業の世界展開が、厳しい状況になるとロイターは報じている。
グーグルが今回取った措置により、今後ファーウェイに提供されなくなるのは、現行Androidのアップデートと、Androidの新規商業ライセンスだ。これに伴い、グーグルとの商業ライセンス契約が必要な「Google Play」「Chrome」「Gmail」「YouTube」などの人気アプリは、ファーウェイが今後発売するスマートフォンに搭載されなくなる。
ファーウェイが今後、使用できる唯一のAndroidは、オープンソースライセンスの下で無償提供されている「Android Open Source Project(AOSP)」だが、こちらのライセンス形態では、前述した人気アプリを搭載できない。
米政府、ファーウェイと取引禁止
これに先立つ5月15日、米商務省は、米企業が政府の許可なく電子部品などをファーウェイと、その関連会社に販売することを禁じると発表した。またトランプ米大統領は、安全保障を脅かす通信機器やサービスを米企業が使うことを禁じる大統領令に署名した。
グーグルの広報担当者によると、今回の措置は、こうした米政府の方針を受けたもの。今後グーグルは、この措置が及ぼす影響について検討する。グーグルは今も社内で、ファーウェイ製端末で停止するサービスについて詳細を検討中だという。