ペンス大統領へ蠢動、国策評議会

 トランプ大統領にじわじわと迫り来る米議会の弾劾調査の行方は誰も予測できなくなってきた。

 そうした状況で浮かび上がってくるのがペンス副大統領の存在だ。トランプ大統領に万が一のことがあれば大統領継承順位1位はペンス氏だ。

 現に共和党内にはペンス氏の大統領昇格、さらには2020年大統領選の共和党候補指名、共和党大統領候補のための選挙戦略を考え、動き出している勢力がある。

 一般にはあまり知られていない、その意味では秘密結社的色彩の濃い「国策評議会」(Council for National Policy)という「保守系シンクタンク」だ。

 シンクタンクとはあくまでも建前で、国策の基本に保守主義を根づかせることを目的とした政治活動団体だ。

 1981年、宗教保守の「モラル・マジョリティ」の指導者だったティム・ラヘイ氏の音頭取りで発足した。

 現在の会長はトニー・パーキンス氏。南部バプテスト教会のメンバーで人工中絶反対を唱えるロビー団体「ファミリー・リサーチ・カンスル」理事長を務めている。警官やテレビ記者を経てルイジアナ州上院議員を務めた。

 今回ご紹介する2冊の中の1冊、「Shadow Network: Media, Money, and the Secret Hub of the Radical Right」(影のネットワーク:メディアと金と保守過激派の秘密の中核)の著者、アン・ネルソン氏によれば、この「国策評議会」の実態はこうだ。

 会員は現在600人強。会員名簿は公表されていないが、米政財界、メディア、宗教界、学界の実力者が会員に名を連ねているという。

 年1回の総会は非公開、開催場所すら明らかにされていない。

 活動資金は、アムウェイ(世界規模で家庭日用品、化粧品などを連鎖販売取引で販売する企業)のCEO(最高経営責任者)で億万長者のディック・デボス氏(故人)やエバンジェリカルズの中核、南部バプテスト連盟などから提供されている。

 また会員には全米ライフル協会(NRA)や人工中絶反対各団体、地球温暖化防止に反対する石油企業などがいるとされる。

 豊富な活動資金を使って各州議会や市町村議会に送り込む候補者を育成するプログラムや選挙の際の運動員集め、さらには大統領選のカギを握る選挙人制度を共和党に有利に修正させるタスクチームもあるという。