あのカフェ満席? スマホで見る東京駅ナカの混雑度

グランスタで空席情報サービス「VACAN」が本格始動

2019.11.08(Fri)漆原 次郎

人なのか荷物なのかも人工知能が識別

河野剛進氏。バカン代表取締役。学生時代から画像認識や金融工学、またビジネスプランニングなどを学び、三菱総合研究所に入社。休日、娘・妻と商業施設に出かけたとき、飲食店の混み具合からランチを断念し、帰宅した経験などが、2016年6月のバカン創業につながったという。「バカン(VACAN)」は「空き」を意味する“vacant”に由来している。

 2016年創業のバカン(東京都新宿区)がこのサービス「VACAN」を開発した。店内に設置されたカメラで撮影された座席空間の状況を人工知能が解析し、瞬時に「空席あり」「残席わずか」「混雑」を判断する。「vCore」と同社がよぶ独自の基盤システムを用いた仕組みだ。

 同社代表取締役の河野剛進(かわの・たかのぶ)氏は「カメラによる映像の情報だけでなく、センサーで感知する情報なども統合的に扱える機構があります。いろいろな領域に対応できます」と話す。実際、すでに大丸東京などに導入されている「VACAN」では、カフェやレストランの空き状況だけでなく、センサー技術を用いて各階の個室トイレの空き状況も知らせている。

 カフェ利用客の中には、自分の座席の隣りに荷物を置くような人もいる。椅子の上にあるのが人体なのか荷物なのか、識別できるのだろうか。

「それが人かどうかといった物体認識は可能です。人工知能の技術でロジックを生成します」(河野氏)

実証試験では売上げ比率・回転率とも向上

 店舗や商業施設などにとっての「VACAN」導入の効果はどうだろうか。グランスタでは1年前の2018年5月から8月にかけて、今回の実施店舗のひとつ「デイジイ東京」を対象に試験導入が行われた。その結果、店内の座席を利用した場合の売上げ比率は試験前よりも高まり、また座席の回転率も向上したという。

 グランスタを運営するJR東日本グループの鉄道会館は、「一定の成果が出たため今回の本格導入に至りました」(マーケット戦略部)と、本格導入の決め手を話す。

「東京駅をご利用されるお客さまのカフェニーズは、一年中時期を問わず高いものがあります。エキナカに展開するカフェの混雑情報をまとめてご案内することで、お客さまの利便性向上および店舗の売上・回転率向上に寄与すると考えています」(同)

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