人事聴聞会は目的を果たせたのか

 この結果を見て曺氏の答弁に自信を得た与党側は、任命へのより確かな手ごたえを得るために6日の聴聞会に応じた。しかし、記者会見の後、聴聞会までの数日間に曺氏に新たな疑惑が明るみに出てきてしまった。それを踏まえて行われた聴聞会は緊迫したムードが漂い、激しいやり取りが行われることとなったのだ。

 それでも、曺国氏は不正疑惑への関与を改めて否定し、「知らない」を繰り返した。聴聞会では、曺氏の娘の不正入学に多くの時間が費やされた。一方で、もっとも刑事訴追の可能性が指摘される投資ファンドに関する議論はあまりなく、韓国国民からは「野党自由韓国党の突っ込みは不十分だった」との批判もある。また、11人予定していた証人のうち、出席したのは1人だけであった。

 結局、6日の聴聞会では、曺氏の疑惑は少しも晴れず、かといって野党が徹底的に追及することもできなかった。

 曺氏の娘の不正入学疑惑の中で、最も曺氏夫妻の関与と隠ぺい工作の疑いが濃いのが東洋大学総長の表彰問題である。

 曺氏の娘が釜山大学専門大学院に志願する際に出した自己紹介には、「東洋大学総長賞」の受賞の記録が記載されている。しかし、曺氏の娘が受け取ったとする表彰状の形式は通常のものと異なっており、偽造の疑いが濃い。

 これに関し、東洋大学総長はメディアの取材に対して「私はそのような表彰状を決裁したこともないし、あげたこともない」とコメント。さらに、同総長は「曺氏の妻から震えた声で、『表彰がなければ娘の入学が取り消しになる可能性がある。記録にはないが表彰を出した可能性があると発表して欲しい』と言われたが断った」と発言している。

 さらにその件に関して、曺国氏自身が総長に対し、妻が言ったコメントを出してくれれば、「総長も生きて、妻も生きる」と言ったともいわれている。これに対し、曺氏は6日の聴聞会で、「調査して事実関係を明らかにしてほしいと言った」と弁明しているが、総長の理解とは相当乖離があるようである。