強引な手法の文政権を待っているのは

 私は、もはや曺国氏を任命しようがしまいが、文在寅大統領と曺国法相候補者を待ち受けているのは、もはや苦難の道しかないだろうと思う。

 文在寅大統領はこれまで、16人の閣僚、最高裁判事などを国会の人事聴聞会の承認を得ずに大統領権限で任命してきた。そればかりでなく、前職大統領や政権幹部を逮捕するなど強引な手法による政治を行ってきた。そして現在、国家情報院、国防部、検察・警察などを改革し、左派政権を今後20年続けるための土台づくりを遂行しようとしている。つまり検察、警察、裁判所、言論機関を抑え込み、政権に反抗できなくしようとしているのだ。その仕上げが検察の改革で、それを曺国氏に主導させる手はずになっていた。

八方塞がりの文政権は弱みを見せられず

 一方その間、韓国経済は深刻な不況に陥る瀬戸際まで追い込まれてしまった。国内の投資意欲は減退し、海外投資家も韓国を敬遠している。最低賃金の無理な引き上げによって失業が増え、今年の成長率も大幅に引き下げられることになろう。輸出も今年8月の1~10日には、対前年度比20%以上減少している。

 さらに政治的には、国内の分断が進行し、文政権に対する保守派の反発は高まっている。

 外交的にも、日韓関係は戦後最悪とまで言われる状況になり、米国とも対立している。その一方で北朝鮮からは仲介者の役割を断られている。北朝鮮に対する非現実的な見方で、韓国の外交姿勢は各国から見放されている。

 安保面でも昨年、北朝鮮との間で結んだ軍事合意は韓国の国防力を弱めるものであり、加えて日本とのGSOMIA破棄は安保に多少とも造詣のある人には危険なものと映っているはずである。このように、すべての政策面で八方塞がりとなっている。