豪政府がインドネシア大統領を盗聴か、関係悪化に懸念

2013年3月、豪キャンベラの豪議会議事堂で共同会見に臨んだとインドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領(左、当時)。(c)AFP/Torsten BLACKWOOD〔AFPBB News

 アグス氏は2017年2月15日実施のジャカルタ特別州知事選に出馬するために軍籍を捨て政界に飛び込んだ軍のエリートで、父は前大統領、夫人は著名な女優と恵まれた環境で育ち、民主党の次期党首そして次期大統領候補とも目される人物。

 大統領選でプラボウォ氏の敗色が濃厚となると、野党連合の一角である民主党の実質的党首としてジョコ・ウィドド大統領と2回にわたって個別会談して、「選挙が終われば挙国一致でインドネシアのために共に働きたい」との意向を示し、与党連合への参加を示唆してきた。

ラマダン終了後、メガワティ邸の宴席に誰が来るか

 そして6月5日、インドネシア国民の88%を占めるイスラム教徒にとって大切な宗教行事である1カ月に渡る断食(ラマダン)が終了したことを祝う宴席がジャカルタ中心部にあるメガワティ・スカルノプトリ元大統領の私邸で開かれた。

 同日は大統領官邸でジョコ・ウィドド大統領による「オープンハウス」で一般市民も参加した同様の行事が行われた。

 メガワティ元大統領の私邸での行事は、誰でも参加できる「オープンハウス」ではなく、家族親族親しい知人のみによる内輪の集いであったが、そこにはティト・カルナフィアン国家警察長官、ハディ・チャフヤント国軍司令官、ブディ・グナワン国家情報庁長官など治安・諜報部門のトップが顔をだし、メガワティ元大統領が率いる与党「闘争民主党(PDIP)」所属の閣僚も集まった。

 門前に集まったマスコミの注目は「誰が駆けつけるか」で、黒塗りの車両が到着するたびにカメラのシャッター音が鳴り響いた。