②航空拒否作戦
航空拒否作戦は、第1列島線内の中国の航空優勢に対抗する作戦だ。人民解放軍が部隊を上陸させる前に、攻撃部隊を運ぶ空輸を無力化する。
H-6爆撃機などの長距離爆撃機が、第1列島線を越えて、友好国の基地、部隊、その他の目標を攻撃する力を行使することを阻止する。
主に第2列島線およびそれより遠い航空基地からの作戦距離が長いことを考えると、米軍および連合軍は、第1列島線に沿う地域での航空優勢を継続的に争うに十分な出撃回数を確保できない可能性がある。
第1列島線の島嶼に配置された改良型陸上配備型の統合防空・ミサイル防衛(IAMD)システムは、この問題を補うことになる。
IAMDはコストを相手に強要し、攻撃兵器を搭載できる敵機の数を減らすことにより、人民解放軍は空域の大部分を攻撃ではなく防空のために費やすことを余儀なくされる。
この新しい地上ベースのIAMDシステムは、ミサイル、火砲、レーザーや高出力マイクロ波などの指向性エネルギー兵器を組み合わせて使用する。
結果として、移動式、長距離、広域、短距離のポイント防空システムを含む多層防御が完成する。
陸上のインサイド部隊は、アウトサイド部隊である空軍の支援、例えば空中警戒管制機の支援を受ける。そして、敵の防御を突破する有人および無人戦闘機による中国空軍基地に対する攻撃的対航空作戦(OCA)を行ってもらう。
③情報拒否作戦
人民解放軍は、情報優越を軍事的勝利に必要な最も重要な条件と考えている。
このため、中国のC4ISRの機能を低下させる作戦や情報拒否作戦は、中国の侵略を抑止し、それを撃退する上で大きな効果がある。
情報拒否作戦は、中国のISRを複雑にし、中国の通信ネットワークを混乱させ、最終的には中国の中央集権的な意思決定を麻痺させることに焦点を当てる。
内外の部隊は、中国のセンサーや主要ノードを攻撃してC4ISRネットワークを部分的に遮断するために、陸上攻撃、対艦兵器、対空兵器を使用する。
電子戦、対宇宙(カウンタースペース)、偽発信装置や妨害装置などのサイバー能力を使用する部隊は、カモフラージュ・隠蔽・欺瞞や機動性の発揮などの受動的手段によって強化され、残りの中国のセンサーを混乱させ、通信を低下させ、中国の情報処理と意思決定を圧倒する。
防衛側の地上軍は、複雑な地上環境を有利に利用する。これらの行動が相まって、中国は執拗なターゲティング(目標指定)が必要になり、中国の意思決定者から重要な戦闘空間の状況認識を奪い、彼らの部隊のために中央集権的な決定をする能力を阻害する。
また、地上戦力を排除するために、人民解放軍が戦闘をエスカレートさせる可能性もある。
より多くの交戦すべき潜在的な標的とその配置が不確実であるため、人民解放軍はより大規模な初期作戦を実施しなければならない。これは、中国の指導者が最も都合のいいグレーゾーンの活動を明らかに上回るものである。